メディアストレージは、電子化されたデータを保存するための記憶装置のことをさし、企業では電子化された文書をはじめ各種デジタルデータを保管する際に使われます。
多くのデータを手軽に管理するうえでは便利な反面、セキュリティ面や運用面など、さまざまな点で注意が必要です。
今回は、書類保管に活用するなら知っておきたい基礎知識として、メディアストレージの基本的な役割や、メディアストレージの種類を紹介します。
メディアストレージとは?
メディアストレージとは、電子データを保存・記憶する記憶装置のことです。
企業において、事業を続けるうえで集めた情報は、財産となるほど重要なデータを含んでいることがあります。一例を挙げるとすれば、顧客情報、従業員名簿、帳簿などです。これらのデータが電子化されている場合、メディアストレージはデータの保管庫として活用されます。
近年、DX化に取り組む企業が多い中で、「重要な情報を電子上でどのように管理して活用していくのか」はひとつの大きな課題です。企業にとっての知的財産と呼べる重要なデータは、保管場所を明確にし、機密文書としてアクセス制限を設ける必要もあることでしょう。
場合によっては従来の紙媒体との併用も視野に入れつつ、安全かつ安心した環境下でいかに効率よく管理していくのかが求められています。
メディアストレージのメリット
さまざまなデータ保管方法の選択肢があるなかで、メディアストレージを活用する主なメリットは以下となります。
- 長期的なデータ保存が可能に:自然劣化等の心配もないメディアストレージは、永続的な保存が可能になる。ただしそのためには環境や管理を適切に保つ必要があり、紙とはまた違った管理のポイントを押さえる必要がある。
- 検索が簡単:メディアストレージでは。簡単に必要なデータを検索することができる。ただしそのためには、きちんとインデックス処理をおこなう必要がある。
- データの復旧が可能:メディアストレージは、バックアップが可能。そのため、データが破損したり、誤って削除したり場合においても早期の復旧することができる。ただしバックアップをおこなっていない場合は復旧が難しい点には注意が必要。
- 情報共有が簡単:メディアストレージなら、アクセス権限を保有している関係者間で情報共有や共同作業も可能となる。ただしストレージの形式や管理権限の設定によっては共同作業が難しい場合も。
- 生産性向上やコスト削減につなげやすい:整理やカテゴライズを適切におこなえば効率よく文書を扱うことができるため、業務効率化につながる。物理的な保管スペースが不要になったぶん、コストカットが可能になるケースもある。
メディアストレージが注目される理由
メディアストレージに注目が集まる理由は、ビジネスが行われる場面で活用すべきデータ、保存すべきデータが増えてきたことにあるでしょう。
個人情報や機密情報の流出が問題視され、ときにトラブルにつながるケースも少なくありません。万全のセキュリティと使いやすさを兼ね備えたメディアストレージサービスを利用することで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
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また企業が保有しているデータには売上に活用できるものもあるため、マーケティングの観点からデータ分析は重要となります。しかし大量のデータを紙で保管しつつ活用するには限界があります。そこでメディアストレージを活用し、きちんと分類することで、データを分析・活用しやすくなるはずです。
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メディアストレージの種類(接続方式)
メディアストレージの分類方法はいくつかあります。ここでは接続方式にもとづいた3種類を、メリットとデメリットも含めて紹介しましょう。
DAS
DASは「Direct Attached Storage」の略で、サーバーに直接つながるブロックアクセス方式のストレージです。データ管理を行うコンピューターに付属されているハードディスクなどの領域といった内部ストレージ、外付け型のハードディスクやDVD・USBといった持ち運びできる外部ストレージなどが含まれます。
DASのメリットは主に、下記の4点です。
- 安定して稼働しやすく管理しやすい
- アクセスがしやすい
- バックアップや復旧が簡単
- ネットワーク環境の構築が基本は不要
特に環境を用意する必要性はない特徴を持ち合わせつつ、アクセスのしやすさや、データの維持に関しても安心して使用することが可能です。
逆にデメリットとなる部分は、下記の1点が挙げられます。
- 共有の利便性が低い
共有のアクセスがしづらいブロックアクセス方式となります。複数人がアクセスする際には、ハードディスクやデバイス本体を共有する必要があるため、一緒に作業をしたい場合など、支障をきたす可能性があります。
SAN
SAN (Storage Area Network)は、複数のストレージとサーバーとの間を専用のネットワークでつないだブロックアクセス方式のストレージです。
メリットは、下記2点が挙げられます。
- 高い性能を保ちやすい
- 高速なアクセスを実現しやすい
独立したネットワークにて運用されているため、NASと比較すると、性能が低下しにくく、高速なアクセスをキープしやすいのが何よりもメリットです。
デメリットとしては、下記2点があります。
- システム構築の費用が高額になりやすい
- 導入に専門知識が求められる。
SANは、専用のケーブルやスイッチが必要なため、システム構築にかかる費用が高額になりがちです。導入時の専門知識も高度なものが必要となります。
NAS
NAS(Network Attached Storage)は、既存のネットワークを経由して接続するファイルアクセス方式のストレージです。柔軟性が高く、容量の増減に関しても比較的容易に可能となります。
メリットは、一般的に下記2点が挙げられます。
- 低コストで運用しやすい
- 管理しやすい
- 複数人で共有できる
なんといっても低コストでの導入が可能な点は魅力です。また、複雑な管理も必要としないため、利用のしやすさも挙げられるでしょう。ネットワークを通じてファイルを共有するため、同時に複数人でアクセスすることができます。
デメリットとして挙げられるのは、下記2点です。
- システムに遅延が生じやすい
- 性能が低下しやすい
既存のネットワークを使うため、アクセスする人数が増えると、システム上で遅延する事象が発生する可能性があります。また、大きい容量(動画など)へアクセスするさいには、速度が低下してしまい、作業が一時中断してしまう性能の低さが時に懸念点として挙げられるでしょう。
まとめ
メディアストレージは、電子データを管理するうえで非常に重要な役割を果たします。特に紙媒体を電子化する場合、あらかじめデータを保管する環境についてもしっかりと構築しておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。
メディアストレージの種類はいくつか存在しているため、自社でどのように運用していくのかをふまえて選ぶことが大切です。
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