文書保管サービスとは、会社に代わって社内文書を保管するサービスです。紙に印刷された書類はかさばる上、社内で全て保管するのは大変です。書類保管を委託することで、管理に関する問題を解決しやすくなります。ただし、システムの利用にかかる費用や文書利用時の対応スピードなど事前に考えるべきことが多いのも事実です。
今回は文書保管サービスを利用するメリットとデメリットのほか、サービスの5つのタイプと自社に合ったサービスの選び方について解説しています。
文書保管サービスの導入を検討している、もしくはサービスの主な内容について知りたいときの参考にしてください。
文書保管サービスとは
文書保管サービスとは、会社に代わって社内文書を保管するサービスです。主に、契約書や機密文書をはじめ「一定期間保存しなければならない文書」の保管に利用されます。
書類保管に加えて、必要な文書の検索、書類の電子化、不要な文書の廃棄などのオプションを利用できるサービスもあります。提供企業や契約プランによっても異なるため、詳しくは各サービスの詳細の確認が必要です。
文書保管サービスを利用するメリット
文書保管サービスを利用して得られる主なメリットは3つです。
- スペースを有効活用しやすい
- 書類を適切に保管しやすくなる
- 文書の管理にかかる手間や時間を削減しやすくなる
スペースを有効活用しやすい
文書保管サービスを利用すると、スペースを有効活用しやすくなります。
文書の種類によっては、長期間の保管が必要なもの、法律で保管が義務付けられているものが存在し、保管に一定のスペースが必要となります。保管を委託することで保管スペースが不要となるため、そのぶん社内スペースを有効に使えるようになります。
また書類保管のスペースにかかるコストは一般的なオフィスよりも安価な傾向にあるため、スペースコストの削減にもつながります。
書類を適切に保管しやすくなる
文書保管サービスを利用すると、書類を適切に保管しやすくなります。
書類は紙でできているため、保管時は湿度や温度をはじめ環境面にも配慮しなくてはなりません。また一定期間の保管が必要な書類を、社内ですべて適切に保管・廃棄をおこなうのは大変です。
専門サービスを利用することで、書類保管に最適な環境を確保しやすくなるほか、セキュリティレベルを全社で統一することができます。基準で保管期限を設定しておけば廃棄も任せられる場合もあります。
文書の管理にかかる手間や時間を削減しやすくなる
文書保管サービスを利用すると、文書の管理にかかる手間や時間を削減しやすくなります。
企業で使われる書類は多岐に渡るため、保管方法によっては必要な書類を探すのに手間や時間がかかる場合もあります。
文書保管サービスは、原則として台帳を作成します。そのため、どのような書類が保管されているかが一目で分かりやすいです。あわせて電子化やクラウド保存できるサービスならば、必要書類をすぐに確認可能となります。
文書保管サービスを利用するデメリット
文書保管サービスを利用する主なデメリットは2つです。
- 保管に関する費用が必要となる
- 必要な資料を閲覧するまでに手間や時間がかかる可能性がある
保管に関する費用が必要となる
文書保管サービスを利用した場合、保管に関する費用が必要となります
外部サービスを利用するため、保管料や取り寄せ時の輸送費などの費用が必要となります。ただし社内で保管した場合もスペース確保をはじめとするコストがかかるため、これがデメリットとなるかどうかは場合によります。
必要な資料を閲覧するまでに手間や時間がかかる可能性がある
文書保管サービスを利用した場合、必要な資料を閲覧するまでに手間や時間がかかる可能性があります。
社内で保管していれば、保管場所へ取りに行く形で資料を手元に取り寄せることが可能です。しかし外部の保管サービスを利用した場合、取り寄せるためには申請したり、輸送を待ったりする手間が必要です。
すべてを保管サービスに預けるのではなく、頻繁に必要となる文書は社内保管にしたり、電子化サービスを利用して閲覧しやすくしたりなどの方法を併用することで解決できる場合もあります。
自社に合った文書保管サービスの選び方
自社に合った文書保管サービスを選ぶときは、5つのポイントから総合的に判断してください。
1. サービスをどのように利用するかを明確に
2. セキュリティ対策はどの程度か
3. タイムスタンプや電子署名の有無
4. 対応している端末の種類
5. サポート体制
サービスをどのように利用するかを明確に
文書保管サービスは提供企業やプランによって、提供されるサービス内容が異なります。そのため、サービスをどのように利用するかを明確にしてから選ぶことが大切です。
なぜそのサービスを利用しようと思ったのでしょうか。スペースコストの削減、保管委託によるセキュリティ向上など、まずは目的を明らかにします。
その上で、仮に保管サービスを利用した場合、出し入れの頻度はどれぐらいか、既存システムとの連携は可能か、といったように、利用後のビジョンをイメージします。
これにより電子化や検索機能、承認機能といったオプション機能の必要性も明確になるはずです。
セキュリティ対策はどの程度か
文書保管サービスは便利ですが、外部に委託することもあり、社内保管とはまた異なるセキュリティ対策が必要となります。情報漏えいや文書の外部流出を防ぐためにも、各サービスのセキュリティレベルを確認すべきです。
書類の取り寄せに関する権限設定は、しっかりと確認しなければなりません。またサービス自体のセキュリティが万全ではない場合、輸送時や保管時に紛失をはじめとするトラブルが起こる可能性も考えられます。
さらに電子化した情報には、不正アクセスや流出のリスクがつきまといやすくなります。デジタル管理を視野に入れる場合、社内での閲覧権限の設定も必要です。
サポート体制
文書保管サービスを利用する上で、問題やトラブルが起こったときのために、どのようなサポートが得られるかも確認することをおすすめします。
対応している時間帯や連絡手段など、自社の業務スタイルに合うところを選びます。
必要書類を取り寄せる際の利用方法や、輸送にかかる時間なども確認しましょう。
まとめ
文書保管サービスとは会社に代わって社内文書を管理するサービスです。
実際にシステムを導入するときはメリットやデメリットを把握した上で、多角的な視点から選定してください。具体的にはシステムのスタイルやセキュリティレベルなどです。
組織レベルで書類を作成、管理するときは、文書保管サービスの導入を検討することをおすすめします。